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 投げ出された鞄を拾う一哉を見ながら微笑む諒一。 諒一「相変わらず素直じゃないね。そういう時は普通、どういたしましてって言うんだよ?」  一哉が諒一へと鞄を投げる。  受け止める諒一。 一哉「アホくさ」  歩き出す一哉。 ■モノローグ 諒一  このところ、一哉の様子が微妙に変わった。なんというか、何をしていても上の空というか、張り合いがない。  一哉の背中を見る諒一。 諒一M「原因は、やはり母親の再婚か…」  一哉の隣に並ぶ諒一。 諒一「顔合わせ、どうだった?」 一哉「別にどうって事もねぇよ」  そっけない態度の一哉。その後ろ姿に僅かに顔を曇らせる諒一。 ■モノローグ 諒一  一哉は母親の再婚相手の事に関して、あまり話したがらない。それまで隠し事などされた事もない俺とってそれは、少しだけ寂しくもある。  俺にとって一哉は、物心ついた頃からいつでも一緒にいる親友であると同時に、強くて頼りがいのある姿が憧れのヒーローのようなものだ。いつも一哉は、俺を守ってくれた。

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