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第24話
「…僕は…お兄さんと約束したから…お兄さんの元にずっと居るって。これは、眞司とは関係ない…僕とお兄さんとの約束だから…だから、僕は眞司とは行けない…ううん、行かない」
「…俺がこんなに頼んでも…?」
「……ごめん…」
「…俺より、兄貴の方が良くなった…?」
俺の言葉に、首を横に振る優紀。
「…眞司の事は好きだよ…初めて眞司を見た時からずっと…今まで…」
「…それなのに、兄貴を選ぶのか?」
―俺の事が好きなのに?
「………ごめん」
またしても優紀に謝られ、言葉を失う。
―全て、俺のせい。
雅樹の外見に騙され、惑わされて優紀を捨てた時に…道は別れ、全ては決まった。
雅樹に囚われ―何度、後悔した事か…優紀を身代わりにして兄貴から逃げ出したのに…相変わらず俺は誰かの玩具のままで…主人が兄貴から雅樹に代わっただけだなんて…。
これじゃ、何の為に優紀を身代わりにしたのか…。
だから、何とかして雅樹の元から逃げ出し…優紀を取り戻して一緒にと…そう思っていたのに…。
俺は言葉もなく…何て言ったらいいのか、分からないまま…目の前の優紀を呆然と見詰める事しかできずにいた。
「…大丈夫だよ」
俺がその場から動かず、何も言えずにいるのをどう思ったのか、優紀は穏やかに言う。
「…お兄さん、僕が本当に嫌がる事はしないし…本当は、優しいんだよ…不器用なだけで。それに…眞司が居なくなると…お兄さんには、もう、僕しかいないから…」
そこまで優紀が言った時。
ドコッ!
いきなり優紀がベッドの外に倒れ込んだ。
―兄貴が優紀を蹴飛ばしたのだ。
「…優紀!!」
ベッドの外へと倒れ、そのまま動かない優紀に驚き、駆け寄ろうとした俺は、しかし、男性二人にいつの間にか左右を押さえられ、椅子に引き戻される。
「離せ!!優紀!!優紀!!」
床に倒れた優紀は、ピクリとも動かない。
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