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〇朱華、部屋の中  朱華と辰典、テーブルを挟んで向き合って座っている。泣いたために既に葉菜は辰典に抱っこされている。 朱華「ちょっと、おかしいですよね?」  寝ている葉菜を起こさないように朱華、小声で喋る。 辰典「なにが、だ? 金、受け取れただろ? 警察にもバレてない」  辰典、不思議そうな顔をする。 朱華「それはありがとうございます。ですが、苑巳さん、何が目的ですか? 普通、あなたのような裏社会の人間は僕らのような一般人に、こんなに優しくしないですよね?」  朱華、また疑いの瞳。 辰典「それはな……」  顔だけ前に乗り出す辰典。

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