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辰典「植森朱華、お前に惚れたからだ」
朱華「ほ、惚れたって、僕、男ですよ?」
少し大きな声が出てしまって、最後声を絞る朱華。
辰典「関係ない。俺のモノになれ、きっと仕事も与えてやれるぞ?」
朱華「嫌ですよ」
朱華が意地でも、といった様子で告げる。
辰典「お前の親代わりは頑固だな」
葉菜の頬を優しく指でつつきながら、辰典が微笑む。
朱華「……っ」
辰典の表情を見て、朱華、ドキリとしてしまう。
辰典「ん?」
朱華「いいえ……」
首を横に振る朱華。
朱華の心の声「悪い人だけど、悪い人じゃないのかも……」
葉菜に何やら話しかけ続ける辰典を見て、ドキドキとする胸をぎゅっと握る朱華。
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