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〇アパート前の道路(買い物帰り、夕方)
~一週間後~
葉菜を連れて買い物から帰ってきた朱華、寒そうに白い息を吐いた後、一つクシャミをする。
朱華の心の声「誰か僕の噂してるのかな?」
瞬間的に辰典の顔が思い浮かんで「いやいやいやいや」と首を思いっきり左右に振る。
アパートの前が見えてくるが、辰典が二人の男をボコボコにしているのも見えた。辰典のいつもと違う殺意に満ちた雰囲気に衝撃を受ける朱華。
男たちが逃げ出した刹那、葉菜が泣き始める。
朱華「あ……」
口元の血を拭う辰典と目が合う。
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