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朱華「ありがとうございました。診察代が必要ならあとで請求してください。帰ります」
早口に言って、葉菜を抱いて帰ろうとする朱華。
辰典「そんな格好で帰るのか?」
朱華「え? あ……」
辰典に言われ自分の格好を見ると、水色の浴衣が酷く乱れ下着が覗いていた。
辰典「まあ、座れ。話したいことがある」
朱華「僕の服はどこですか?」
辰典「帰(返)したくない。今帰(返)したら俺が酷く後悔しそうだ……、いや、もう後悔してる」
朱華「苑巳さん?」
悲しそうな表情で畳をトントンと叩かれ、朱華は静かに座った。
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