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壱歌「剣道なんか棒振り回してるだけだろ」  競うように走りながら喋るふたり。 求 「棒とは失礼な。強さとは腕力や筋力ではありません」 壱歌「はぁ? じゃあ、なんだよ?」 求 「隙のない乱れのない心のことです」  壱歌を追い抜かし猛スピードで教室に向かう求。あっという間に求の背中が見えなくなる。 壱歌「……はや。変なやつ」  ぽつりと呟き「やべぇ」と階段を駆け上がる。

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