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第7話

その後何事もなかった様に身体を離した翠葵。 お母さんから少し小さめのサイズのパジャマを借りてきてくれて、一緒にベッドで寝た。 腕枕をしてくれたがそれだけで、僕は翠葵の腕の中でゆっくり瞼を閉じた。 翌日の放課後、僕は先輩の家に招待された。 αの家は基本裕福な家庭が多いが、先輩の家は別格だ。 学校と同じ位の広さあるし、豪邸だし、庭に薔薇園や噴水あるし、執事さんやメイドさんや庭師さんや料理長さん迄居る。 多分まだまだ沢山使用人さん居そう。 料理を食べると初めて案内された先輩の部屋。 いつもは食後スグに家に送り届けてくれていた。 土日休みだから此処で2泊3日過ごす事になる。 初めて入った先輩の部屋はモノクロで統一されていてシンプルだった。 そして何より先輩の匂いがした。 「星流」 先輩の指先が顔に触れる。 ゾクリ軽く電流が走ったが、その後スグ昨日の翠葵の温もりを思い出して涙が溢れた。 ダメだ、出来ない。 先輩とは付き合えない。 「ごめんなさい、先輩。僕翠葵が、親友が好きなんです」 正直に想いを告げる。 翠葵への気持ちを口にしたのは初めてだ。 なのに先輩は 「ごめんな、星流。俺星流が好きだから婚約解消出来ない」 哀しそうに告げ、僕を抱き締めた。 「やっ、やだ。先…輩、いや」 「……ゃ、ゃあ。ひぁっ、ん、や」 口から出るのは抵抗している声なのに、甘ったるくなってしまうのが嫌で堪らない。 「ごめん、星流。ごめん」 謝りながらも行為を続ける先輩に、絶対悪いって思ってないだろバカって、心の中で抗議する。 運命の番の力は異常な位強力な物で、僕を抱き締めた直後、先輩はおかしくなった。 好きだ、愛してる。何度も愛を伝えながらキスをされ、身体を暴かれた。 僕の身体も同じで、変になった。 触られる度流れる甘い電流。 脳内迄痺れる様な感覚に思考が麻痺する。 全身が性感帯になったみたいで、何処を触られても媚びた様な声が出た。 そして何より驚いたのは胎内の変化だ。 本来排泄でしか使用しない後孔が有り得ない位びしょ濡れになって、先輩を受け入れた瞬間異常な位身体が悦んだ。 ヒクヒク収縮を繰り返して、奥へ奥へと先輩を誘い込む。 前立腺だけでなく奥迄侵されて、其処はもう完全に先輩に陥落してしまっていた。 自分が好きなのは翠葵なのに、身体は先輩を求めていた。 何度も胎内に吐き出された白濁。 番から出されたソレは甘美な麻薬。 何も考えられなくなってしまった僕は自ら先輩を求め続けた。 食事や睡眠もせずに重ね合う身体。 完全に僕の身体は先輩によって作り替えられてしまった。 αを知ったΩの身体は殆ど女性と変わらない。 発情すると胎内が受け入れ体制になって自然と濡れてしまう。 もうこうなると異性を抱く事など不可能。 抱く事よりも抱かれる悦びを知ってしまったからだ。 首筋に唇が、舌が這わされる度 「ぁっ」 甘ったるい声が出る。 嗚呼、噛んで欲しい。 今スグこの人の物になりたい。 服従してしまいそうになる。 だけど、やっぱり嫌なんだ。 翠葵が好き。 翠葵に逢いたい。 翠葵、翠葵。 何度も心の中で呼び、僕は涙を零した。

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