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俺に甘えてみませんか。

おずおずと侑司の脚を跨ぎ座る。 「重いだろ」 「全然。遥さん細いからずっと乗られてても平気です」 置き場所に困り自分の膝に置いた俺の手を掴むと侑司は自分の首に持っていく。 そうなると途端に近くなった顔に恥ずかしさで顔が火照る。 「遥さん、すげー可愛い…」 髪を撫でられ、その手で頬を包まれる。 甘ったるいこの空気に息が詰まりそうだ。 鼻を擦り付けられ、思わず目を閉じた。 いつもなら侑司の唇が触れてくる距離で雰囲気なのに、今日は違う。 ちらっと侑司の顔を見ると、こいつは待っている。 俺が甘えて強請るのを。 期待に満ちた目がいつもより色っぽい。 甘く熱い唇を待っているのは俺のほうかもしれない。 「侑司…ちゅー、して」 伏せた瞼に唇の感触がしたと思ったら唇が塞がれた。 食むように唇を合わされ、その感触に酔う。 口を開け舌を待っているのにいつまでもくれない侑司の唇を舐めてから舌を入れた。 首の後ろに侑司の手が回されたと思った瞬間深く口づけられ、侑司の舌が絡んできた。 貪るように吸われ絡められる舌に翻弄されながらも夢中でついていく。 飲みきれない2人分の唾液が口の端から流れ出たのを合図にしたかのように漸く唇が離れた。 侑司の親指が流れた唾液を掬う。 その指を舐めて見せる侑司に明らかに欲情している自分を感じた。 「満足したか?」 「はい!ものすごく可愛かったです!」 「そりゃーよかったな…」 まるで一週間働いた後のような疲れに息を吐いて、侑司の肩に頭を凭れさせた。 すぐに温かい腕に包まれ抱きしめられる。 腰を引き寄せられ、さらに近くなった距離に思わず顔を上げようとした時大きな手が髪を撫でた。 詰めていた息を吐き、全身の力を抜いて甘えた。 こんなふうに自分が甘えるようになるとはな… 甘えているとも甘やかされているとも思う。 それを侑司が良しとしているならいいか。 この腕の中にいるのは好きだ。 髪を撫でられ、背中をとんとんされ、包まれるような侑司の体温と匂い。 瞼が下がってくるのに抗いもせずそのまま目を閉じた。 「好きだなぁ……………」 侑司が俺の名前を呼んだ気がしたけど、閉じた目はもう開かなかった。

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