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俺は無駄でも抗いたいんです。

「遥さん、暇ですし、ゲームでもしません?」 ニ連休の土日。 買い物やら掃除やらは昨日のうちに済ませてしまった。 やたらと風の強い寒い日は部屋にいるに限る。 リビングのソファで寝転がって携帯を弄っていた俺の髪を撫でながら侑司が楽しげに誘う。 「どんなゲーム?」 前回とんでもない目にあった。 恐る恐る尋ねる俺に侑司がニコッと笑いかける。 「俺が何か言うんで、遥さんはそれを日本語で返してください。 言えなかったりわからない時は罰ゲームです」 ニコニコと話す侑司に腰が引けた。 「ば、罰ゲームって?俺痛いのやだ」 「俺が遥さんに痛いこととかする訳ないでしょ」 間違える度にキスでいいですよ、と笑う侑司の後ろに厭らしいオーラが見える気がするのは気のせいだろうか… 「始めますよー、テレビ」 「えー?と、映像放映機」 「エアコン」 「え?うーんと、冷温風機?」 「トイレ」 「と?と、と、…かわや」 「パソコン」 「!?イン…サイ…ええ、と、無理」 ニコッと笑った侑司が目を閉じた。 ちゅ、とちゅーをするとすぐに目を開け遥さんの可愛いキス好きです、と笑った。 可愛いじゃないか、くそ。

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