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プロローグ

仕事も出来て、頭も良くて、格好良い。 その上お優しい会計様は本当に素敵ーと言われていたのはつい半年前の事。全寮制の男子校だから男しか居ないんだけど、褒められて嫌な気分はしなかった。まぁ、俺は至ってノーマルだけど。女の子大好きです。 人気投票だとかいうふざけた方法で生徒会に選ばれたときは心底嫌で断り続けていたんだけど、やってみたら案外楽しかった。性格に癖のある奴等ばかりが居る生徒会だったけれど話したら結構面白くていい奴等だったし。それなりにいい日常を送っていたと思う。 …あの時までは。 時期外れの転入生。 そいつが原因。 親の事情なのかよく分からないけれど、コネで入ってきた超絶馬鹿の転入生は本当に嵐のような奴だった。顔のいい奴や親衛隊が居る人気者や生徒会の皆(俺を除く)に何故か気に入られ、好き勝手していった結果、学園はまともに機能しなくなって親衛隊は暴れるがまま。不良共も暴れるがまま。 俺以外の生徒会の奴等も仕事を放棄し続けていたため、一時期はリコールされるなんていう噂までも立っていたくらいだ。何とか俺一人で仕事を終わらせ、事無きを終えたけれど、本当にその時は辛かった。 だから俺は小さい頃からの親友(訳あって俺の親衛隊長してくれている)に相談したんだ。 「何故、俺ばかりに厄介事が回されるのか」。 「今後俺はどうすればいいのか」と。 そうすれば仕事の出来る親友は次の日に対策案を持ってきてくれたんだ。 そして俺は第一声にこう言われた。 『周りではなくお前が変われ』って。 最初は「え?何で俺?」って思ったよ。だって自分で言うのもなんだけど、俺凄い生徒会にも貢献しているのに、何で俺が変わらなくちゃいけないんだろうって。 でもちゃんとした理由があるらしい。 何でも調べた所、俺だけが「生徒会」としての性格や趣向が間違っているとか。どんな文献から調べてきたのか分からないけれど、話を聞けば本当に俺だけが異端だということが分かったんだ。 俺様な性格の会長、眼鏡冷徹な副会長、無口クールな書記、双子の庶務。統計的に調べた所このような生徒会が多いらしい。確かにどれも俺の生徒会メンバーに当てはまっていた。本当に凄い。少し感動してしまったくらい。まるで預言書のような文献だ(その文献を見せてと言ったら、即断れてしまった。何で?)。 そして問題は俺が所属している会計だ。なんと「チャラ男」キャラが多いらしい。なんてこった。全く違うではないか。抵抗は大きかったものの、親友からの勧めと、その文献とやらに大きな信頼を寄せた俺は、苦渋の決断の結果了承したのだった。 そう。 それが半年前の出来事。 俺は意外にもそれなりにチャラ男としての人生を謳歌していたりする。 「かいちょー、仕事してよー」 「分かってるっつーの」 「手、動いてないくせにぃ」 今では役にハマり過ぎて、誰も半年前の俺を思い出せないと思う。確かに最初は不思議がられたり、気味悪がられたけれど、半年経てば俺が最初からこのような性格・喋り方だと思われている。 初めは俺が仕事のやり過ぎで頭がおかしくなったからだって言われてたけどね。まぁ、そのお蔭で生徒会の皆も仕事してくれてたからいいけど。 うん。だから。 それなりに今は楽しい、かな。

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