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四空間目⑨

「あ、ッ、あ、っ…ふ、はァ」 被っていた皮を強引に剥かれ、剥き出しになった亀頭を手の平でゴリゴリ擦られてしまえば、痛みを通り越えして尋常な快楽が襲ってきた。手を動かされる度にズチュズチュッて先走り汁の音が鳴って、それが堪らなくエロくて、俺の頭を更に馬鹿にさせる。 「ひっ、ッいぁ、ひぁ、こ、…これ、やばぁいぃッ」 口を閉じる暇すら与えずに続く刺激。自分のものとは思いたくないほどの高い善がり声と涎が、開きっぱなしの口から溢れ出る。そんな俺のみっともない姿を、神田さんは変わらず熱の籠った目で見下ろしてきている。 神田さんの大きいものを無理矢理根元までずっぽり突っ込まれて、自分のお粗末な物すら乱暴に扱われて気持ち良くなっている自分の姿を想像してしまい、羞恥で本能のまま叫びたくなった。 「あ、アッ、っ、く、ひぃッ」 あー、やばいよー。 これ、絶対やばい。おかしくなる。 どれほど危ういのかというと、俺がエロゲームのヒロインだったならば、アヘ顔晒しながら「くるゥー、すごいの、きちゃうぅー!」と喘ぎ叫ぶレベルだ。 それほどまでに俺は凄まじい快楽と戦っている。自分以外の男の手なんかで射精したくない。 「っ、ン、ん、ッ、あ、ひ、ァう…ン!」 …だけど。 我慢し過ぎてそろそろ本格的に頭がおかしくなりそうだ。 限界は、すぐそこまで来ている。 「…本当に食いしん坊だな」 「あ、や、ゃあッ、…んぇ、あァっ」 「はっ、…俺の、食い千切る気か?」 「ああン、んっ…ふ、ぁ」 そして俺が頑なに射精を拒んでいるせいか、尻の穴に捩じ込まれている神田さんのチンポを俺は物凄い力で締め付けてしまっているようだ。それは神田さんの苦しそうな表情と、額から垂れ落ちてくる汗で一目瞭然。 力を抜かせるために俺のペニスを扱いているというのに、これでは本末転倒じゃないか。しかし俺はそれのお陰というべきなのか、今では挿入の痛みなどは全くといっていいほど感じない。 結局は神田さんの手慣れた策は成功というわけか。 …解放してくれるのが一番嬉しいけれども。 「あ、ッ!?そ、こっ、…ン、ぁあァっ」 しかしいくら解放を望んでも、欲に飢えた獣がここで止めてくれるわけがない。 俺なんかがこんな事態に陥ると誰が予測出来ただろうか?当の本人である俺さえも予測出来っこなかった。今日起きる出来事が予め分かっていたら、この醜い脂肪を何年も掛けて筋肉に変えていたというのに。 …だけど、そんなことを今更後悔しても遅い。 「だ、めっ、だめぇ、ひぃッん」 尿道を爪で引っ掻かれて、ドプッと汁が溢れ出るのが分かった。 我慢し過ぎて精液どころか、人前では絶対に垂れ流してはいけないであろうものすらも出そうになって驚きと焦りで心臓が暴れる。 「イくッ、…んぇ、ぁッ、イっちゃ…ァ」 「おら、出せよ」 「やだ、やだ、やだっ。ひ、ぃ、ァ…イきたく、ないぃっ」 このまま理性を捨てて快楽に従うのは簡単だろう。三擦り半どころか、一擦りされれば簡単に精を放てるレベルだ。限界はもうとっくに超えているのだから。 自分のものがここまで大きくなっているところを見るのが初めてなくらい、俺のペニスは痛々しい程に赤く腫れ上がっている。 「っ、うぇ、ッ、ひ、ぃッ」 だけどこのままこの男の思い通りに事を運んでたまるか。 絶対に逃げてやる。逃げきってみせる。 確かに既に挿入はされてしまって、俺の純潔は守れなかったかもしれないが、射精しなければこれはもうノーカウントといえよう。 このまま凌いでやる。 助けは、きっと来る。 規則だと監視カメラが唯一設置されていないこの場所で、二人揃って一時間経っても出てこなければ監視員の人が見回りに来てくれるはずだ。そしたら隙を見て逃げて、助けてもらおう。 「あ、あ、ッ、んァ、はひぃ、ン」 「…強情な奴め」 「ふは、は……ン、っ…ざまあ、みろ」 自分の思い通りに進まないことに焦れてきたのか、神田さんは眉間に皺を寄せた。 「…だが、」 だけど俺の浅はかで馬鹿な考えなど、神田さんの前では関係なかったようだ。 額から汗を伝わせながら、ニヤリと口角を上げて笑う神田さんを見て、俺は場にそぐわず、やっぱり格好良いなと思いながら、嫌な予感に身体を震わせた。 「あ、ッ…あ…ァ?」 「だからこそ、壊し甲斐がある」 「ひ、!?ッ、んぁあァ、く、ァああッ!」 根元までずっぽり入っていた神田さんのチンポがゆっくりと時間を掛けてズルリと抜かれて安堵した時。 俺の力が抜けきっているのを見計らって、それは更に強い力で最奥まで一気に入り込んできた。 「ひぃッ!ぁ、ひぎ、ァ、あァッん!」 奥に奥にあった前立腺。 いとも簡単に探り当てられ、優しさや遠慮とは無縁の力で一気に突かれた。 「あ、…ひ、は、ァ…んッ、ふァ」 チカチカと眩しい光で目の前がいっぱいだ。しかも脳みそを鈍器で打たれたかのような衝撃。息も苦しいし、まるで自分の身体ではないようだ。 「あ、ァ…ん、ンぁ」 「あーあ。イっちまったなぁ」 イきたくないんじゃなかったのか?と、喉で笑いながら嫌味丸出しで言われてしまい、俺はその言葉に怒りより先に驚愕した。 「…え?ッ、ぁ…お、れ、…イって…?」 下腹部に目を向ければ、白濁色した液体が腹や胸元を濡らしていたのだから。 射精した感覚すら分からなかった。たった一突き前立腺を刺激されただけでこんなになってしまうなんて…。 駄目だ。こんなの凄い刺激を何回も受けたら、本当に俺はおかしくなってしまう。 「あ、…や、やだ…ッ、も、やだ!動いたら…、ッ!?」 「はっ、聞こえねえな」 「ッ、ん、ぃあ、ァ、ッン、ふぁァっ」 一度射精したことで上手いように身体の力が抜けてしまったようで、神田さんは俺のイイ所を重点的に狙って、器用に腰を前後に動かしてくる。 これでは本当に喜んで神田さんのチンポを銜えているようだ。 「あ、っ、んぁあァ、んぇ、ッ」 パンパンパンパンッ 尻に神田さんの下腹部と、濃厚な精液がたっぷり入っているのであろう睾丸が打ち付けられて、セックス特有のエロい音が聞こえてくる。こんなの昔チラッと見た、AVでしか聞いたことがない。本当に現実でもこんな卑猥な音がするものなのか。 きっと俺の尻は赤くなっているのだろう。 「ふ、ぇ、あッ、ん、ひ…ァん」 気持ちいい。気持ちいい。気持ちいい! こんなのズルイ。セックスどころか、性に頓着がなかった俺が、こんなにすごい快楽を植えつけられれば嫌でも堕ちてしまう。

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