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四空間目⑧

「ッ、ん、ひぅ、ふ」 「下の口はこんなに美味そうに俺のしゃぶっているくせに」 「ふざけ、んな、っあァ、ッん」 上の口は相変わらず素直じゃねぇな。なんてほざく神田さんに殺意が芽生える。 というか本当に下の口は止めてください。神田さんはエロ漫画か官能小説の読み過ぎだと思います。 「ひァ、ぁ、ッ、あっ」 だけどなんだかんだ言っておきながら神田さんは少なからず俺の要望を聞き受けてくれているようだ。浅いところで軽くゆさゆさ揺す振ってくるものの、強引に奥まで入って来ようとはしてこない。俺の腸内を血塗れにして無理矢理突っ込むことだって出来るはずなのに。 ……変なところでは優しいままなのか。 「素直になれって…、おらっ」 「ひ、ぎっ、ッああ、ン」 「有希のここ女みてえにすごいぞ」 嘘。 やっぱり今の優しいという発言は即撤回してやるっ。 「俺は、ンっ、女じゃない!」 「ああ、悪い。女と比べられて気を悪くしたか?」 「ちがッ、ふ、っ、ふァ、ぁあッ」 「…色々な意味で最高だよ、お前は」 「ッ、ん、ふ、…ひぁあ、」 ヂュッ、と音を立てて噛まれた首筋を吸われた。 …しかもその一箇所では飽き足らず色んなところを。 経験が全く無い俺だが、キスマークを付けられたのだとなんとなく分かった。 …俺なんかに何でこんなことを。 「ん、ん、ッ、ン」 「…有希、有希」 「あ、ッ、あァ、ふ、ひァ」 「っ、クソ…揺さぶりてぇ」 膝裏を掴まれ、両脚を再度抱えられる。 「、あ…ッ、だめ、っ、まだ、ダメッ」 「…はっ、焦らし上手だなお前は」 ズンッ! 「ひ、ッ!」 「だけど、もう我慢出来ねえよ」 知らない内に極太亀頭部分で徐々に慣らされていた腸内は、切れることなく神田さんの物を根元まで受け入れた。 「…―ッ、ひぎ、!?、くぁァ、ッ、っ」 やだやだやだやだっ。 裂ける。本当に身体が裂けてしまう。こんなの酷過ぎるよ。死んでしまいそうだ。 今まで色々な人から散々暴力を振るわれていたが、ここまで痛くて苦しい思いは初めてだ。 それほどまでにこのセックスという名のレイプは、俺にとっては暴力でしかなかった。 「やめ、てッ、死ぬ、ァ、いっ、死ん、じゃう…からァ、」 「…あー、すげぇ肉圧…っ」 だけど俺の苦痛とは正反対に、神田さんはとても気持ちが良さそうだ。熱い息を吐きながら、ブルリと身体を震わして快感をやり過ごしている。 その違いと理不尽さに腹が立つのを通り越して、悲しくなった。 「っ、ン、痛い、よッ、んァ、ひぃ」 …俺はこんなにも恥かしくて痛い思いをしているというのに。 「ひ、っく、んぇ、ッ、…ひ、ぐ…ッ」 先程までとは違って、嗚咽混じりにしゃくり上げながら泣き出した俺に気が付いたからか、神田さんはピタリと動きを止めた。 しかしゆさぶりが止められたからと言って、異物感も圧迫感も大して変わらない。 「………」 「かん、だ、さん…、うぇッ、ひっ、ぅ、抜い…てっ」 「………」 「あ、うッ!?、やァ、…な、に…大きく、なって…!?」 「…お前が煽るのが悪い」 「う、ぇ…?ん、ッ、や、っ」 はむはむ、と俺の喉元を甘噛みをし始めた神田さん。 するとそのまま垂れ続ける顔中の体液を、その大きくて熱い舌でベロリと舐め出した。 「ん、や、…それ、いや…ッ、ン」 「…黙ってろ」 まるで大型犬に舐められている気分だ。 …まあ、俺の知っているワンコよりも可愛げもなければお利巧でもないけれど。 よく漫画とか恋愛ドラマとかで涙を流す女の人の目元を男の人が舐め取っているシーンを見掛けるけども、まさか男の自分がそんな目に遭うとは思っていなかった。思っていた以上に他人に顔を舐められるのは不快なんだな。これが可愛い女の子だったら感想も違うようになるのだろうか?…そんな経験一生ないと思うが。 しかもこれだと多分神田さんは涙だけでなく、俺の涎や鼻水まで舐めていると思うのだが、これは如何なものだろうか。神田さんは不快じゃないのか? 「っ、ふ…ン、神田、さん?」 「そのまま力抜いてろ」 気が狂って俺の分泌した体液を舐め出したかと思っていたが、これは俺の身体の力を抜かすための策略だったのか。 …それもそうか。好きで舐めてたわけじゃないだろうし。 しかしその巧妙な策のお陰でほんの少しだが、楽になってきた。 だが力が抜けたということは神田さんも動きやすくなったというわけだ。いつ乱暴にゆさぶられてもおかしくない。そう思うだけで恐怖で涙が溢れて来る。 「ん、ぇ…ひ、っく」 「有希…?」 「…もう、痛いの嫌です…」 散々俺の言葉を無視して来た神田さんは聞き入れてくれないと分かっていたが、言わずには居られなかった。このまま動かれたらマジで脱肛する。 すると俺の切実な訴えを聞いた神田さんは何故か眉間に皺を寄せて、深い溜息を吐いた。 「うっせ、ばーか」 「……な、っ?」 しかも何故か罵倒付き。 「痛くされたくなければ、もう黙ってな」 言い返したいことは山ほどあるけれど、これ以上痛い目に遭いたくないので俺はその言葉に黙って従うとしよう。 「っ、ひゃ…?!な、何して…、ンッ」 しかしそう決心したすぐに、痛みで萎えて更にお粗末なことになっている自分のペニスを大きな手の平で扱かれてしまい、口を開かずには居られなくなった。 「うわ、っ、そんな、…とこ、ッ、ひん…っ」 器用に尿道を指の腹で弄くりながら、竿を上下に扱かれたら、嫌でも反応してしまう。俺の初心な童貞ペニスは馬鹿正直に即勃ちしてしまった。 「ん、ん、っ、ん…は、ッ」 何故急にこんなことをしだしたのだろうかと思ったが、すぐに俺の身体の力を抜かすためだと理解した。そうでもなければ先程の顔舐め同様、俺のペニスなんて触りたくもないだろう。 「あ、ッ…ん、はふ…っ、んぁ」 「…本当に腹立つほどクソかわいいんだよ、馬鹿野郎」 「なに、言って、っ、…ん、そこ…ダメぇ!」 何で十六年間共に生きてきた持ち主の俺よりも扱いが手慣れているんだ、この人は。 俺が怖くて触れなかった場所すらも躊躇なく弄くりやがって。 「ん、っ…ひァ、ああッ、ふ」 あー、もうっ。 まさに悔しいけど感じちゃう状態だよ、これ。

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