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十空間目⑦

「……んっ、あ、あっ、ッ」 被っていた皮を優しく剥かれて、普段は隠れているはずの敏感な部分を指で弄られる。それだけでもとてつもなく気持ちが良くて意識が飛びそうになってしまった。亀頭部分をヨシヨシされると、甘えん坊モードに突入しそうなくらいだ。気持ちが良くて、それでいて嬉しくて、神田さんの逞しい胸板に縋り付いてどうとでもして欲しくなる。 「ふぁ、あっ、んん、んぅ」 自分で触るのとは全く違う。勝手に上擦った声が出てしまうほど気持ちが良いんだ。 それなら、神田さんに気持ち良くしてもらうだけではなくて、俺も彼を気持ち良くさせてあげたい。そう思った俺は、恐る恐るといった感じで神田さんの凶悪ペニスを手で包み込んだ。 「……有希、」 「ん、……俺も、っ、気持ち良く、ふぁ……っ、してあげ、ます」 自分で言っていて悲しくなるが、神田さんのは俺のものとは全くサイズも色も何もかもが違う。だから同じものが付いているはずなのに勝手が違う気がして少し戸惑うけれど、要は扱いて刺激して気持ち良くすればいいだけだ。俺だって同じ男なのだからできるはず。そう意気込んで、ビクビクと痙攣して刺激を求めている神田さんのペニスを上下に扱いでやった。 「ん、んっ、……んっ」 その間も神田さんの手の動きも止まることなく刺激してくるので堪ったものじゃないが、俺の拙い愛撫でも神田さんが熱い息を吐いて反応を示してくれるから気分は良い。……だってあの神田皇紀が俺なんかの手コキで気持ち良くなってくれてるんだぞ?今まで散々綺麗でテクのあるお姉さま方とあんなことやこんなことをしてきたであろう神田さんが、俺のことを好きだと言って、俺の愛撫で気持ち良くなってくれてるんだ。相当気分が良いし、嬉しい。 「ひぁ、っん、か、神田さん?」 「……どうしたよ?」 「ちゃんと、気持ち良いですか?」 「……見りゃ分かるだろ」 『有希が触ってると思うだけで、最高に気持ちが良い』と言ってくれた神田さんの声は、ほんっとうに色っぽくて思わず腰が疼いた。もうその表情と声だけでイってしまいそうなくらいだった。 ……もっと、もっと気持ち良くしてあげたい。そう思った俺は、以前は死ぬほど嫌だったフェラをしようと身体を動かしたのだが……、 「しなくていい」 「……い、嫌でしたか?」 「違う。今は早く有希の中に入れたい」 「……あっ、んっ、んん」 ……それはまた今度の機会にな?と笑った神田さんも最高に格好良かった。

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