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十空間目⑧
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「あっ、んんっ、んっ、んんっ!」
「……っ、は」
「あぅ、あっぅ、あんっ!!」
お風呂場の中で散々といっていいほど弄られて拡張された俺の尻の中には、神田さんの大きく肥大したペニスが根元までずっぽりと入り込んでいる。まるで熱の塊のような存在感のある物でゴリゴリと腸内を掻き回されると、まるで気が狂いそうなほどの快感が押し寄せてくる。寝室へと移動してきた俺は、気を失わないためにベッドシーツをギュッと握った。
「ひっ、ッ、んんっ、あっ、くっ、ふ」
「っ、相変わらず狭いが、久し振りの割りには随分と柔らかくねえか?」
「ふっ、え?」
「……まさか、俺と会わない間に他の男とやったんじゃねえだろうな?」
パン、パンッと荒々しく腰を打ち付けながら、神田さんは俺のことを鋭い目付きで見下ろしてきた。
……だけど、それは全くの誤解だ。俺が他の男とセックスするだなんて有り得ない。そもそも俺に欲情するのなんか神田さんくらいしか居ない…………、と思いたかったのだが、実の弟に性的な目で見られている事実をどうしても拭えなくて俺は内心苦笑いを浮かべた。
「……心当たりがあるのか?」
「んんっ、ち、がうくて……っ、」
「なんだよ?」
「た、多分……一人で弄ってたから……」
「…………」
「……あっ、んぅ、神田さんのこと想ってたら、ひぁっ、我慢、できなくて……っ」
そうだ。他の人とは一切こんなことはしていない。
ただ、あの密室空間で神田さんにされたことを思い出しながら一人で夜な夜な弄っていただけだ。前の刺激だけではもう物足りないほどに、ここでの快楽を無理やり覚え込まされてしまったから。
「それも、っ、全部……神田さんの、せいですからね……っ」
「……っ、有希」
「ひぁっ、んっ!?」
誤解されてしまうのは嫌なので、恥ずかしいけれど馬鹿正直に言えば、中に入っているものが脈を打って一際大きくなった。
「くそ……っ、本当に、お前は……」
「か、んださ……っ、あっ、んん」
「一々可愛いことばっかり、言いやがって」
「あっ、う、んんっ、んんっぅ」
「わざと煽ってんのかよ、てめえは……っ」
そしてそんな限界まで肥大した物で、乱暴なまでに最奥を突かれてしまえば、もうまともな言葉を口にすることはできない。俺の口から出るのは悲鳴のような嬌声のみだ。あとは飲み込めなくなった唾液くらいだろうか。神田さんに与えられる刺激が強過ぎて、全身から色々な液体を垂れ流しながら俺は快感を与えられるままに喘ぐ。
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