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十空間目⑨
「あー、クソッ。滅茶苦茶にしてやりてえ」
「んっ、ひぅっ、んんっ」
「……っは、有希が足りねえよ」
「んん、っ、んーっ、んぅ!」
もうすでにこれ以上ないほどに滅茶苦茶にされているというのに、いったい神田さんは最終的に俺をどうしたいというんだ。既に入ってはいけないと感じるほどの奥にまでずっぽりと入っているし、人間とは思えないレベルで腰を激しく打ち付けられているというのにまだ満足できていないのだろうか。
「あ、ひっ、ひぁっ、あっ、あんっ」
体感としては口から神田さんの凶悪チンポが出てきそうなほど奥まで入っている感じだ。きっと神田さんは、俺がどれほどの圧迫感と快感を受け取っているか知らないんだ。奥をゴツゴツと硬い物で突かれる度に、軽くイっている気がするほどだぞ。
「んっ、んぅっ、は、激しいよっ、あっぅ」
「……あ?もっとだろ?おらっ」
「やあっゃあっ!んんっ、ひぃっぅ!!」
「……っ、可愛いな。クソッ」
「ん……あっ、あっ、あぅぅ」
「はぁ、っ、好きだ、有希」
「ん、んっ、あっ、あぁっん」
「ぶっ壊したいほどに愛してる」
……なんという情熱的で破壊力のある言葉なんだ。だけどそんな狂気じみた言葉すら嬉しいと思ってしまうあたり、俺も少し異常なのかもしれない。だけどそれほどまでに俺のことを好きなんだと思うと、とてつもなく嬉しい。俺も「好きです」と「愛しています」と返したいけれど、口を開けば喘ぎ声が邪魔をしてしまい上手く言葉を紡ぐことができない。残念だけど、きっと言葉にせずとも神田さんには伝わっていると思いたい。
「あぅ、っ、ーッ!ひっぁ、あっ」
せめてもの伝え方として、彼の逞しい身体に更にギュッとしがみ付けば、神田さんが嬉しそうな顔をしたのが分かった。それが嬉しくて余計にキュンキュンしてしまう。きっと受け入れているはずの神田さんの物もキツく締め付けているはずだ。
もしかしたら締め付け過ぎて痛いくらいかもしれないけれど、それでも力を抜くことなんてできない。だって俺の意思とは裏腹に勝手に疼いてしまうんだ。お互い想いを確かめて、気持ちを通じ合えた上でのセックスってこんなにも気持ち良くて心地良くて幸せなのだということを知った。きっと俺の人生で、この人以上に好きになる人は居ない。
「んん……んっ、んんっ、あっ、ぅ」
“もっと神田さんを感じたい”
そう強く思った俺は、彼の太い首に腕を回して抱き着き、自ら彼の唇へとキスをした。深い口付けではなく本当に軽く触れた程度の子供がするようなキスなのだが、それでも俺としてはかなり勇気を出した行動だ。
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