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番外編 嫉妬3
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「はぁーっ、あまりにも美人過ぎて卒倒しちゃうかと思いました……!」
「……そうかよ」
あれから神田さんと明石様は数分間ほど言い合いを続けていたけれど、ふと明石様が俺に触れようと手を伸ばしてきた時、それを制す
るように神田さんは俺を引き寄せて「触るのまで許してねえからな。会わせてやっただけでも感謝してろ」と言って強引に社長室に俺を連れて来てくれたのだ。
しかし、想像以上に麗しいお方だった。テレビで観るよりも現実の明石様は数百倍は素敵だった。立ち振る舞いも喋り方もあの甘い匂いも、どれも素敵過ぎて興奮が止まらない。あんなにも綺麗な人と一緒に居たり、ドラマでも恋人役として共演したりしているのに神田さんはよく平然としていられるよな。
「あんな綺麗な人とキスシーンまでして、神田さんは撮影中におもわず勃起とかしてしまったりしないんですか?」
「するわけねえだろ」
「まじですか!?すごいっすね、神田さん!俺はあの一瞬でも思わず勃起しちゃいそうで怖かったですよっ」
「………………へー……」
下品極まりない発言な上、こんなことを思ってしまうのは女性に対しても明石様に対しても大変失礼で申し訳ないけれど、それでもこれは生理現象なのでどうにか許してもらいたい。もちろん本人を前にしてこんなセクハラ発言はしないけれど、今は俺と神田さんしか居ないため少しくらいは大丈夫だろう。
その調子のまま、俺は明石様に会えたことで興奮収まらず、キャッキャッと神田さんにそれを伝えていたのだが…………、
「……っ、!?」
――――なぜか前触れもなく、突然神田さんに、机の上に押し倒されてしまった。
「な、なんですか……?」
「――――お前は、わざと俺を煽ってるのか?」
「……へ?」
本当に突然のことに目を見開いて驚いていると、無表情のまま俺を見下ろす神田さんと目が合った。
…………もしかしなくても、どうやら神田さんは怒っているようだ。
「か、神田さん……」
「他の奴に浮かれてんじゃねえよ」
「……そ、そんなつもりは……」
「挙句の果てに俺以外の奴で勃起するとかほざきやがって」
「…………っ、ひぁっ!?」
「……お前が誰のものなのか、しっかり分からせてやるよ」
「んっ、ぁ……ッ!」
服の中に手を入れられて胸を弄られたかと思えば、まるで噛み付くようなキスをされる。散々神田さんに弄られて開発されてしまった俺の乳首は、こんな場所のこんな状況だというのにすぐに反応をしてしまうのだ。指先でクニクニと触れられる度に気持ち良くて下半身が疼いてしまう。
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