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番外編 嫉妬5

きっと神田さんからすると抵抗をしているというよりも、じゃれている程度にしか思えないだろう。だけどあまりにも気持ち良すぎて腰が砕けてしまいそうなほどなのだ。もう抵抗できる力なんて残っていない。 「ひっ、あっ、あっ、ぁっ、ふぁっ、イ、イくっ」 喉を反らして大きく喘ぎ、全身をブルブルと震わせて、絶頂を伝えれば……、 「……ぁっ……んぅ……?」 ……もう少しでイくというところで、神田さんは俺のペニスを口から離す。神田さんの口の中に俺の汚い精子を吐き出さずに済んだことに安堵すればいいのか、それとも中途半端に射精を止められたことに不満を伝えればいいのか、もう自分でも分からない。…………ただ辛いということだけは間違いない。 「……神田、さん」 「こんな堪え性もなくて小さいチンポで女なんか抱けねえだろ」 「……う、うるさい……っ」 そんなこと改めて言われなくても自分でも嫌というほど分かっている。 神田さんほどの大きい物を一度見てしまってからは、俺の物なんかゴミくず同然にしか思えない。それほど見た目も大きさも違うのだ。確かに劣等感をヒシヒシと感じてしまうけど、俺なんかが神田さんに勝てるところなんて一つもないのは当たり前なのだ。 「女の人とする気なんてないから、別にいいし……」 「……本当かよ?」 「当たり前じゃないですか。……俺が誰が好きなのか分かってるでしょ?」 確かに先程は生理現象として思わず明石様のフェロモンで勃起してしまいそうになったけれど、だからといってどうこうしたいなんか思うわけがない。妄想の中でさえも俺は神田さん一色なんだ。 「好きな人としか、――神田さんとしか、こういうことしたくないです」 「…………有希」 「……それに、不安になるのは、俺の方なんですからね」 そもそも俺なんかが女の子に見向きもしてもらえないのは嫌というほど分かりきっている。でも別にそれはもうどうでもいい。俺には神田さんという恋人が居るし。 ……だけど、神田さんは俺とは違う。女の子だけでなく、男の子からもあの手この手で求められることだってあるだろう。それも超絶可愛くてスタイルも良い子が何万人と神田さんに抱かれたいと思っているはずだ。 神田さんだって男だ。おもわずクラッとすることもあるかもしれない。……疑っているわけではないのだが、それを想像するだけで、俺は少し怖いのだ。 「神田さんもできるだけ、浮気はしないでくださいね」 「馬鹿。そんなもんするわけねえだろ」 「……本当?」 「当たり前だ。俺が好きなのは、抱きたいと思うのはお前だけだ」 「……えへへ。嬉しい」 腰が砕けたまま机の上から神田さんにぎゅむっと抱き着けば、あることに気付く。

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