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KNIFE THROWING
「お前っ、だけ……んぁあっ、あ、ああ!」
「……嘘だね」
「他の奴なんてっ知らっ、ない……俺はずっとお前が好きだっ、た……」
「ま、じ? はっ、んっくそ……うっ」
そんな告白、ずるいだろう。眉間に皺を寄せて、快感を今だけ堪えた顔で好きだと言われた。それだけで、俺のちんこは精子を吐き出した。
ただでさえ見えないライバルにじりじりと胸を焦がしていたのに、俺が好きだったとか本当……狡いとしか言い様がない。
「あっ、ナカ出てる……んっ、あああっあ、熱い、ひゃっ、あ、あっだめ、出しながら動かな、いでっ、あああん!」
「んくっ、本多んナカ気持ちよ過ぎ……あっ、だめだ。全然収まんない。まだ付き合って」
「あっやぁぁ、んっ! イったのにおっき、あっはぅん、あああっや、んっ」
「きもち? な、本多。俺のこと好き? っ、はっ」
「あっあっ、すき……ずっと好きだった。同じっあああっぷろじぇく、とになる前っんんっから……!」
「……っ、本当なの……?」
瀬田は同じプロジェクトになって初めて本多を知った。勿論名前だけは知っていたが、詳しいことは何も、同期だってことしか知らなかったのに。本多はずっと瀬田を好きだったらしい。
きっかけは? どうして? どこが? 聞きたいことは山ほどあるのに、嬉しそうに快感に身を委ねる本多を見ると後で聞けばいいかと思うんだから不思議だ。
今は目の前の可愛い男といやらしいことに浸りたい。男らしい体も、真っ黒な大きな瞳も、今は全部が可愛く思えて仕方ない。きゅうっと乳首を抓ると本多が悲鳴を上げた。それを口で塞いで舌を絡め合う。ぬちゃぬちゃといやらしい音がふたつホテルの部屋に響いている。
「きもちっ、あっ、すごい。んんっ、だから、瀬田とできて、うれしっ、あああっひやぁんっ」
「それ以上可愛いこと言わないで、また出そ……」
「出して、俺んナカ……っ、もっと出してあっ俺も出ちゃ……っああん、うぁっ」
「だー、もうっ! かわいいっ、イって。なあ、俺のちんこでイって」
「あっあっあひゃっ、んん! イくぅ、瀬田も、イって俺の、あ、んんっ俺のナカ出してっ」
「誠二郎ね、ほら呼んでみ?」
「あああっ、誠二郎のでイっちゃう、すきっ、しゅき、あっん、あっひやあああっ!」
「あっ出る……うっ!」
全力疾走したように息が上がる。こんなに気持ちいいセックス初めてだ。さっきもそう思ったはずなのに、同じ日に記録更新するだなんて思わなかった。
はあはあと熱い息を吐きながら本多が腹に手を置いた。
お腹熱い……なんてうっとりした顔で嬉しそうにキスを強請られて、うっかりまたちんこが大きくなったのは本多が悪い。
「俺のこと、好き?」
ピロートークは甘さが大事だ。瀬田はわかっていた。本当は自分から好きだと囁くべきだと。
だけど、男に心を奪われたという衝撃はなかなかに大きなもので行為中の熱がなければ口にするのを戸惑ってしまう。ずるいとわかっていて、試すように請うように尋ねる。
「お前が好きだ」
いつもの本多だった。まっすぐ、俺の目を見て誠意のこもった告白だった。今、お互い裸なのは目を瞑るとして。
「俺も。創が好きだよ、こんなに可愛いなんてもう絶対離さない」
「遊び人がよく言うよ」
やっと言葉に出来た思いはあっさりと鼻で笑われる。それでも、瀬田は気づいていた。
ぷいと逸らされた首筋に真っと形のいい耳が真っ赤に染まっていることに。
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