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KNIFE THROWING

「無理、本多! 起きて。もっかい、しよ!」 「──んぁ……、んっ」  俺の声は届くことなく本多は目を開けない。身を捩ってうにゃうにゃ言うだけで、大きな黒い瞳は姿を現さない。  本当はその顔が快感に歪むのが見たいんだけど……そう呟いても本多は起きそうにない。  もう少し寝かせてやって、起きてから。そう考えなかったこともないが、どうにも我慢出来なくて了承も得ないまま、痴態を目にしただけで立ち上がったものを開いた体に突き刺した。  いやらしいそこはずぶずぶと抵抗なく飲み込んで、嬉しそうにきゅうきゅうと締め付ける。可愛い、可愛すぎる! 「あー。やっぱ最高。はっ、ん、んっ!」  ゆっくりとナカを楽しむように腰を動かす。眠っているのに、本多の体は俺のちんこを喜んで迎えてくれる。散々抱いたせいか、中は俺の形をまだ覚えていておかえりと言わんばかりに締め付ける。  ねっとりとまとわりつく内壁はとろとろに蕩けて柔らかい。ぐちゅぐちゅと昨晩の精子が音を立てる。カリで掻き出すように抜き差しすると、奥にあった分がまだまだ出てきて昨日の自分に引いた。  淫猥な光景に腰が疼く。このまま快感で起こせばいいかと、ぐりんと腰を回すとコリコリとしたものに当たった。さっき見たスマホの画面に前立腺だと載っていた気がする。ぐいぐいとそれを押し潰すように腰を進めると、ビクビクと本多の体が跳ねぎゅっと結ばれた瞼が開いた。 「あ、あぅ、──えっ? あっ、んん、ひあっ! あっ、あああんっ、何?」  強い快感に目を覚ました本多にちゅっとおはようのキスを落とす。軽くパニックになっている本多の頭を撫でて、きもちよくなってと囁くと意外なことに素直に首に腕が回された。 「んっ、やば……絡みついてくるっ」 「あっ、瀬、田、ぁ……んんっや、あっあっ、だめっ、あああっすごい……」 「昨日もしたんだし、いいでしょ? ナカ、すごいよ。きゅうきゅう」 「あああっ、んぁ……だめ、あああっ激しっ、あ、ん、すごいっ、いいっ!」  健康的な肌の色、がっつりと熱い胸板。薄いピンクの乳首が堪らなく色気が瀬田を煽る。  じゅっと吸い付いてカリカリと歯を立てると強請るようにピンと立ち上がった。 「あひっ、だめ……やら、おっぱい吸っちゃ……だめっあああっ!」  本多のナカが、瀬田の性器をぎゅうっと締め付けて大きく背中が浮いた。互いの腹の間でびゅっびゅっと精子が吐き出されている。おっぱいって何だ……あまりにも似合わないフレーズに危うくもっていかれるところだった。 「え……? もしかして、乳首でイった?」 「……っ、あ、ごめ……んんっ、ひあああっやら、待て、おれっ、イったばっか、あああっ!」  えろい……エロ過ぎる。快感に弱い体に、堪らなく興奮するのに、胸の底はじりじりと熱い。本多の制止を無視し、イったばかりの敏感な奥を抉るようにぐりぐり攻め立てる。びくびくと体を揺らし口はもう閉じることを諦めて喘ぎと涎を垂れ流している。  真面目な普段とのギャップがすごい。瀬田の性器はぐんと更に大きく張り詰める。 「あーっ、きもち……本多が……こんなエロいなんて、知らなかった」 「や、そんな風に、あああっ! んひぁ、言うな……」 「事実でしょ……、んっちゅ、かわいい。ね、お尻に入れられるの好きなの?」 「ひやああ、おっき、ばか! らめ、あっ、んん!」 「ねぇ、他の誰としたの? 昨日のこと、あんま覚えてないけど……慣れてるのは覚えてる」 「そんな、ことっ……な、ああっ、んやぁ、いいっ」 「他の奴も食っちゃった? ん、こんな美味そうに俺の咥えて、はっ、慣れてないなんて嘘でしょ」  意地悪く言って、ちんこを突き刺したまま奥をほじるように腰を回す。足を肩にかけて、がつがつと強く腰を打ち付けると、ずりずりと本多がシーツの上を滑っていく。  それを逃がさないように腰を掴む、その手に本多の手が重なった。

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