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FLYNG TRAPEZE

「だめ。文ちゃんは今日女の子の俺にガツガツ奥突かれながら、ナカだけでイくえっちな雌になるんだから……ふふっ、かわいい。そんな顔してもだめ、ほら、んっ」 「んんっ、あぁっ! むり、あああっや、やらぁ出来な、できな……い、ああっ」 「きもちいいよ、ぶんちゃん。最高……はあ、俺のが、んっ、やばいかも……んっ」 「あああっ! んぁ、ああ、出して、中、いっぱい、にして……あ、なんか変、あ、こわい……あああっイぐぅ、イぐイく……っああああ──っ!」 「ん、俺も出る……んんっ!」  頭が真っ白になる。縋る指先も腰も全身に雷が走り、目の前に星が飛んだ。  びゅくびゅくと腹の中に精液が吐き出されたそれにすら感じてしまう。快感が強すぎて恐怖だった。涙でぐちゃぐちゃになった俺を央樹が抱きしめる。  ありがとう、かわいかった。何度も繰り返し囁かれて俺はそのままぐずぐずと泣き出してしまった。慌てた央樹が体を離し、硬さのなくなったそれがずるりと引き抜かれる。脱力してることと上半身だけ起こした姿勢のせいか、大量の精子に続いて、ローターがぼとりと零れ落ちた。  二人そろってほうっと大きく安堵し、唇を重ね合う。ごめんね、やり過ぎたとキスで誤魔化そうとする央樹の髪を引っ張ってちゅっちゅとキスを落とす唇に噛みついた。 「らいち、ひたひ……」  手加減なしで噛みついてやった。俺の歯形がしっかりとついて少しだけ腫れている。  痛い痛いとうるさい央樹に、俺はもっと怖い目にあったんだと言えばしゅんと肩を落とす。  ぐちゃぐちゃになったウィッグを引っ張って投げ捨てる。本当はセーラー服だってひっぺがしたい。  くそくそ、くそう。  あー、もう。俺どんだけこいつに甘いんだろう。 「えーっ、せっかく買った……嘘です、捨てます。絶対捨てます! 文ちゃん、ごめんね。可愛くてやり過ぎた……」 「女装も終わりだ」 「可愛いって言ってくれたのに⁈」 「それとこれは別だ。俺はお前だから好きになったのに、女装で俺を犯すとか、俺に失礼だろう」 「ご、ごめん……そっか、文ちゃんは俺が大好きだもんね。央樹子ちゃんは用無しってわけね」 「はあ……、そうだよ。だからそのままのお前で俺に愛されとけ、ばか」 「ぶんちゃん……」  俺と楽しむために悪ふざけをする央樹だって、本当は大好きだ。  だけどセックスにまでそれを持ち込むのはちょっと違う。きちんと話せばこれっぽちも残念がることなく、都合のいい耳は俺に愛されてることだけを聞き取っていた。 「風呂行きたい。立てない」 「任せろ文ちゃん!」  両手を伸ばす。  ぎゅうっと抱きしめられたあと、そのままゆっくり立ち上がらせてくれた。介護のようで情けないけど、好き放題した責任はしっかり取ってもらおう。  まずは風呂ん中で頭でも洗ってもらうか。壁にかかった時計に目をやる。  大学生活まであと少し。いつもより時間がある。  今はゆっくりと風呂を堪能することにした。

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