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3. 05
春来は智哉の手に持ったお弁当を見て、それを届けに来た事に気付く。
春来「わざわざ届けに来てくれたのか?」
智哉「うん! 朝練した後でお腹空いてると思って、僕のおにぎりも入れといたよ!」
春来「智哉のおにぎりも? 智哉、そんなのしなくていいからちゃんと自分の分は食べろ」
智哉「い、いいの! お菓子あるから! 僕、白米よりパン派だし、オカズあれば十分だもん!」
春来「智哉は女の子みたいだな……」
智哉「へへ。女の子だったら春兄と結婚できたね」
春来「! そ、そうだな……」
本当そうだったら良いのに……智哉は毎日のように思う。
例え、世間からしたら兄弟でも、再婚同士の連れ子だから血は全く繋がってはいない。
絶対に結婚できないとはならないはずだ。
(のんびりな両親だからきっと寛容なはず)
《チャイムが鳴る》
智哉「じゃ、また部活の時にねー」
そう言って大きく手を振る智哉。
春来「あぁ。またな」
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