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3. 06

□智哉の教室  席に座った智哉の顔はニッコニコだった。  朝から春来の顔が見れた。抱き付けた。匂いを嗅げた。温もりを感じたーーー喜んでくれた。 栄「プリント……」 智哉「あ! ごめんね!」  頭の中が春来でいっぱいになっていた智哉は、前の席の静流川栄からプリントを渡されているのに全く気付かなかった。 栄「何か良い事でもあったの……?」 智哉「え? あったよー! 春兄と会った!」 栄「あー、なるほどね……。でも、毎日会うんでしょ? 同じ家に住んでるんだから。なのに嬉しいの?」 智哉「あったり前じゃん! 二十四時間ずっと一緒にいたいくらいだもん!」 栄「……すごいね」  栄は智哉のその言葉に呆れたような顔をしながらも、羨ましそうにしたまま前を向き、黒板へと向き直った。  智哉は黒板よりも時計に目が行き、早く授業が終わるのを待ち侘びた。

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