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それは智哉が初めて聞く話しだった。
圭人「そう言えば、春来の彼女と会った事あんの?」
智哉「え……? 彼女……?」
春来の事で〝彼女〟のワードを初めて聞く智哉は、動揺してしまい持っていたペンを落としてしまう。
それを拾いながら圭人が話しを続ける。
圭人「春来の彼女。さっき言ってた卒業したマネージャーがそうなんだよ」
智哉「え……?」
圭人「仕事で分からない事があれば春来に言って会わせて貰ったらいいよ。あの二人、今でも仲良いみたいだからさ」
智哉「仲……良い……?」
そんなの知らない。聞いた事ない。
春来に彼女? そんな存在いると言われた事がない。
智哉は更に動揺した。
圭人「そうだよ。だから、智哉は春来とは付き合えない」
智哉「え……?」
付き合う? 僕が春兄と? その発想が今まで無かった智哉は、圭人に言われて自分の気持ちを自覚した。
圭人「だから俺と付き合おう……ねっ」
そして、そのまま圭人の顔が近付いて来る。
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