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□智哉の部屋(ベッドで横になっている智哉)
智哉「春兄……」
なんであんな顔をしたのだろうか。何も言ってくれないのはそっちなのに……。
彼女がいるならいると言ってくれたら良かったのに。そしたら、もっと早く春来立ちしようと思えたのに。
智哉「急過ぎて……まだ春兄が好きだよ」
兄としてではなく、一人の男として好き。
秘めた気持ちは一度自覚してしまうと拭い去る事はできない。自分でもどうしたら良いのか分からない。それくらい、好き。
智哉「好き……好き好き大好きーーー春兄」
《バタンッ!!》(扉が思い切り開く)
智哉「え……? はる……にい……?」
そこには汗だくになった春来が立っていた。
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