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 そして、そんな春来の態度を見て智哉はハッとした。  昨晩の事が幸せ過ぎて、春来に彼女がいるのを忘れていたのだ。それを思い出した。  でも、春来の事をよく知っているからこそ、彼女がいるのにこっちにも手を出すとは思えない。(しかも、弟に) 智哉「だ、大丈夫……。春兄も僕の事少しは愛して……」  どんな態度を取られても、春来がそんな見境のない男だとはやっぱり思えない智哉は、きっと彼女とは別れているが昨晩の事が恥ずかしいと思っているだけだと信じようとした。でもーーー。 乙音「久しぶりー!」  そう大きな声で叫んでグラウンドにニコニコと満面の笑みで近付いてきた女性がいた。  淡いピンクのフレアスカートが少しだけ風に靡き、むさ苦しい男だけのグラウンドに女性らしさが際立った姿が現れ、サッカー部の連中は一瞬で釘付けになっていた。 智哉「え……?」  その女性と智哉は一瞬だけ目が合い、深みある笑みを向けられる。(目は笑ってない) 春来「先輩?」 乙音「春くん!」  そして、春来の元へと一目散に駆け寄って行き、ぎゅっと強くその腕にしがみ付いた。

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