28 / 34
3. 26
そんな姿を立ち尽くして見詰める智哉。
智哉「嘘……」
圭人が言っていた通り、二人がまだ継続していて仲が良い事を目の当たりして、今この瞬間にもショックで倒れそうになる。
圭人「ふはっ」
智哉「!」
智哉が二人を呆然と見つめていると、いつの間にか隣にいた圭人がそんな二人を見ながら笑っていた。そしてーーー俺が言った通りだろ? と言っているような視線を智哉に向けて来るのだった。
その無言の言葉に、智哉は我慢していた物が溢れ出て来てしまい、泣くのを堪える為に下唇をギュッと強く噛んだ。
圭人「抜けようぜ……」(智哉の腕を掴む)
(コクッ……智哉が頷く)
その言葉に智哉は頷いた。
もうやめよう。春来に執着するのはこの瞬間終わりにしよう。
そう自分に何度も言い聞かせた。
春来「どこに行くつもりだ?」
ともだちにシェアしよう!