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第107話

何気ない会話から、柚木に霊能力のことを話してしまった尊… 柚木も最初は純粋に驚いて、そして褒めていただけだった。 けれど、尊がいれば、必ず勝てることが分かった柚木は、仲間達とのカードゲームで賭けをするようになった。 最初は物や数百円から…相手によっては高額の金銭も賭けるようになっていった。 『すげーよ尊、今日は7千円だぜ!ぼろ儲け、ははっ』 儲けた金を見せながら笑う柚木… 『……柚木くん』 『ほら、お前の分、半額な』 柚木は尊に取り分を分けようとするが… 『ううん、僕はいらない…』 お金に執着のない尊は断る…それに賭けゲームでお金を貰うのは嫌だった。 『マジで?じゃもらっとくぜ』 『……柚木くん、賭けはやめようよ…』 『なんで?せっかくすげー力があるんだから使わねーと損だろ』 『…でも、平等な賭けじゃないから…』 『大丈夫!何も言わなきゃ分かんねーんだから、またやろうぜ!な、尊』 『……うん』 ずっと柚木に助けてもらい、付いて行っていた尊には、柚木の行動を止めるだけの力は無く… あまり褒められることがない尊、カードを当て褒められる喜びと、柚木の役に立てていることも嬉しかった為、言われるまま力を使っていった。     

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