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第108話
そして、2人は地元の同じ高校に通うことになる。
味をしめた柚木は、その後も賭けゲームを尊にさせては金を儲けるようになる。
勝ち続けたら怪しまれるため、適度に負けさせ、最後は勝つように指示してより巧妙に力を使わせていった。
そんなある日…
尊は、賭けゲームでみんなからお金を貰うのが嫌でわざと負けた…
どちらも損にならないように。
『尊、なんで今日最後勝たなかったんだ…』
柚木は尊に問い詰める。
『……』
『勝ててただろ?』
『…でも、あの人からは…もう、たくさんお金、もらってる…から』
騙すような賭けはしたくない…柚木に分かって欲しかったが…
『ッ!』
バンッ!!
柚木は机を激しく叩いて立ち上がり、尊の胸ぐらを?み睨みつける。
『…柚木くん、』
尊はビクッと震えて、怯えながら名前を呼ぶ…
『お前は言われた通りやればいいんだ』
尊を睨めつけそう怒鳴る。
『でも…騙して、賭けは…よくない…』
『煩いッ!』
反抗する尊を見て…
柚木はかっとして、バシッと尊の頬を平手で殴りつける。
『ッ…』
『お前にはそれくらいしか能がないだろ、俺がいなけりゃ何も出来ないくせに…』
『……ッ、ふっ…うぅ、』
尊の瞳からは涙の雫が零れ落ちる。
はじめて柚木に辛く当たられて、泣き出してしまう。
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