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第117話
『ほら、迎えが来た、お前の家に帰れよ』
髪を手でといて、整えながら…優しく促す。
『うん』
尊を連れて玄関へ…
ドアを開けると、不機嫌な優志が立っていた。
『おい、柚木、時間分かってるか?』
『あー、すみません優志さん、また尊が気分悪くなったみたいで、休ませてたんすよ』
さらっと嘘つく柚木…
『なら連絡しろよ!』
『すみません、次は連絡しますから』
へこへこ頭を下げる。
『たく、尊、大丈夫か?』
『うん、…大丈夫』
優志の言葉に、こくんと頷く…
『じゃ帰るぞ』
『お疲れ様でーす』
笑顔で見送る柚木…
そうして、柚木は尊に口止めし、嘘を重ね…優志を欺いていくのだった。
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