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第116話

『口は綺麗になったか?』 『洗った、けど…なんかまだ、気持ち悪い』 あの男に…口付けられて、ソレを口に含まされて、澱んだオーラを沢山吸ってしまった…。 『こっち来いよ』 『うん』 『……消毒』 柚木はそう囁きながら…尊の唇にキスをする。 『…ぁ』 元は綺麗だった柚木のオーラ… 今は澱んでしまったけど… さっきの男よりは綺麗… 『消毒…もう一回』 ポツリと求める尊… 『はいはい、』 チュッともう一回口付けしてやる柚木。 『……柚木くん、』 『あ、時間過ぎてるな…』 不意に時間を気にする。 優志との約束は日暮れまでに尊を帰すこと… 『ま、迎えに来るからいいか』 ほっといても、時間に帰らなかったら必ず迎えに来る優志。 『尊、今日のこと、優志には話すなよ』 不意に口止めをする柚木。 『……』 尊は、分からず首を傾げる。 『お前のこと、あいつは過剰になるから、話したらもう俺たちは会えなくなる、それでもいいなら話せばいい…』 上手い言い回しで尊に囁く… 『嫌…柚木くんに会えなくなるのはイヤ…』 ふるふると首を振り、健気に答える。 『なら黙ってられるな…』 『うん…』 『いい子だ』 優しく頭を撫でる。 そこへ、インターフォンの音。     

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