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第179話

「出していいから…大丈夫、ちゃんと受け止めてやる…」 東洞の顎を…持ち上げるようこちらを向かせ…瞳を重ね… 大丈夫…と、 優しく伝える。 一方、手は射精を促しさらに激しく扱いていく… 「ァ、んっ…国近、さんっ…ぁッ、あァッ…!」 ついに…ぶるっと震え…ぎゅっと腕を握り… 扱いていたその手の内にビュビュッと白液を舞い散らす… 瞳を重ねたまま…イった東洞… 頬が紅潮し…潤んだ瞳で熱く息つくその姿は… 感情を高揚させるのに充分で… 「あ、ハァ…ハァ、国近、さん…」 初めて精を解き放つことが出来て… 東洞は、やや放心状態になる。 「…ほら、お前も出来ただろ?」 高鳴る感情を抑えこみ… 東洞を褒めるように抱き寄せ、よしよしと頭を撫でて… 受け止めた精を見せてやる。 「うん、…ありがと…っ、ありがと…国近さん…っ」 ちゃんと出来た… その喜びで涙が零れ落ちる。 「なんだよ、泣くな…」 そんな様子もたまらなく可愛い。 「僕…大人に、なれたかな…?」 涙をぬぐいながら、そんなことを聞いてくる。 「東洞、気持ちよかったか?」 「うん…」 「それが分かれば立派な大人だ…」 射精は怖いことじゃ無い、気持ちいいこと… そうインプットしていくために… 「うん…、よかった…本当に…」 僕もちゃんと大人になれた… 「よかったな」 「ありがとう国近さん」 そう身体を寄せてくる東洞… その頭を撫でてやると…安心したように息をついて瞳を閉じる。 しばらくすると、すやすやと寝息をたてはじめた。 穏やかな顔で…眠る東洞を抱き寄せ… こめかみにそっとキスをする。 隠しきれない芯の疼きを感じながら… 背徳感からそれを無視するしかない…。 射精を教えるのが目的… 他には何もないのだから… そっと眠る東洞をベッドへ横にして… 布団をかけてやる。 帰宅することを簡単にメモ書きを置いて… 東洞邸をあとにした。

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