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第189話

なん度も繰り返し夢に見て、鮮明に残る記憶… 「どうした…?」 「いえ…」 首を振り、山岸から離れる。 大丈夫、今の事じゃない、昔のこと、怖くない…怖くない。 そんな東洞の腕を掴み、再び引き寄せる。 「……っ、あの…」 「震えてるだろ?寒いのか?」 至近距離からそう囁く。 「だ、大丈夫です」 慌てて逃れながら離れる。 「ははっ冗談だよ、そんなに身構えんな。ま、国さん落とす気ならそれなりのこと出来なきゃむりだからな、国さんだって大人の男、SEXも出来ないヤツとは付き合わないだろうし…」 「……」 SEX… 「俺の恋人になるなら全部教えてやるから、今からでもいいぜ?飯でも行くか?」 「…いえ、すみません」 「じゃ今日は帰るか?…男同士で愛し合う方法、教えて欲しくなったらいつでも教えてやるからな…」 「……」 「じゃ、また明日な!」 山岸はマイペースに話して、軽く挨拶し帰っていく。 ほっとするように、息をついて、お辞儀をし山岸と別れる。

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