240 / 300

第241話

「お前が普通のオヤジならそう言うさ、けど、お前には尊を浄化出来るほどのオーラがあるんだ、尊にプラスになるなら見逃すさ」 「そうか…」 それなら俺たちが付き合うことも見逃してはくれないだろうか… 伝えるか悩んでいると… 「俺の教え方にも問題があったしな、多分、キスもねだられるだろ?」 優志と尊はハグしたりキスしたりが日常動作なんだろう。普通は驚くが、二人の関係性がもはや普通を超えているから… 「え、あー、まぁそうだな」 まさかそう切り返されるとは思わず口ごもってしまう。 「尊はオーラを取り入れやすい口吸いを経験で覚えてしまっている、だからオーラが吸いたいためにキスを求める、通常の、恋愛感情のそれとは意味合いが違うんだ」 「あぁ」 尊は恋愛感情だというが、やはりオーラで麻痺した状態が正しいんだろう。 「お前、尊とキスしたのか?」 「え?いや、それは流石に…」 しているけれど、みなまでは言えないのでとりあえず誤魔化す。 「だな、キスは断れ、誰にでもするようになったら困るから」 「あぁ、わかった」 ハグは良くて、 キスは駄目なのか。 これは付き合うことなど言語道断タイプだな、やはり優志に言うのはもう少し時期を待った方がいいか。 「今日はありがとう、また困った時は頼るからよろしく頼む」 「ふん、頼り過ぎられても困るがな」 そう笑いあってその日は別れた。     

ともだちにシェアしよう!