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《妖魔との対峙》
それから二週間ほどが経ち、優志の予定が空いた週末の土曜日、三人で柚木宅を目指す。
柚木宅であることは言えないまま、柚木の家で起こっている怪現象を探る為、霊能者の二人に霊視をしてもらいに行く。
優志が運転する車で向かうことに。
優志の言う事を聞いて助手席には尊、俺は後部座席でナビをしながら道中、さほど変わったこともなく目的地に到着する。
あらかじめ柚木と連絡をとり、家の表札を外すこと、柚木本人は外出することを頼んでおいた。
まあ、柚木は東洞尊に会いに来ようとするかも知れないがおそらく優志の術で来れないだろう。
とりあえず近くの駐車場に車を停め、車から降りて歩いて向かうことにする。
優志は伊達眼鏡を着用しているが、三人とも霊視をして帰るだけだと思っている為ラフな服装だ。
「あそこですか?」
不意に尊は立ち止まり、的確に柚木の家を指摘する。
「あぁ、よく分かったな」
「確かに、あの一角、凄く澱んでます」
「やはり霊現象か?」
「おそらく、もう少し近づかないとなんとも言えませんが…」
そう言い歩き出す尊、優志も今は見守っている。
柚木の家の前まで来ると…
「…凄いですね、」
尊はやや険しい顔つきになる。
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