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物語本編01

〇田園風景と高台にあるレトロな岸田医院    蜩の鳴き声が響いている。 雪弌ナレーション(以下N)「電車も通って  いない田舎の小高い丘にある岸田医院。  そこを訪れる患者は人間だけではない」 〇医院の裏手にある庭    二階建ての自宅が見える。 〇自宅・二階の寝室(朝)    出窓に猫がいる。    銀と白の毛が混じり、閑雅な佇まい。    よくみると尻尾が二本に分かれている。    猫叉だ。    岸田洸龍(28)が居る。    出窓並びの仕事机に置かれた最新式のタ    ブレットPCと聴診器。    医学専門書もある。    白衣に袖を通しながら、 洸龍「なあ雪弌(ユキイチ)、今日はどっちの    患者が多いと思う?」    雪弌と呼ばれた猫叉の尻尾が揺れる。  〇岸田医院・正面玄関    診察中の札が下がっている。

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