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突然の来訪者《2》
月が雲で隠れてしまったのかと思い、見上げた瞬間ーーー。
「ひゃっ!?」
「ルノア様っ!?」
私のすぐ目の前に、それは急に降りてきた。
「久しいな、ルノア!」
「ば、バルトさん!?」
驚いて声を上げた私を、躊躇なくバルトさんが抱き締める。
「会いたかったぞ、ルノア」
「ば、バルトさんがどうして此処に?」
「父上がベリアルの城へ行くと言うので、父上に頼んで連れてきて頂いたんだ」
バルトさんは、ベリアル様の親友であるベルゼブブ様の御子息だ。
私がベリアル様に追い出されてしまった時に、声を掛けてくださったのがバルトさんでした。
その時に、何故だか、その…
結婚を申し込まれてしまいました…。
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