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第40話

欲望を止められなかった結果、衣装をドロドロにして一心に呆れられてしまった。 「こんなにして」 俺の隣で寝転んでいる一心がスカートの裾を持ち上げるとあちらこちらが白く汚れている。 「ゴメン…可愛すぎて無理だった…」 ベッドから体を起こし、一心を見下ろす。 未だ寝乱れた姿で横たわる一心の姿は目の毒だ。 「可愛くなんて…ないよ…」 そう呟いて背中を向けた。 セーラーの襟から覗く細い肩。 男に可愛いなんて言わないか… 「俺は…一心がいい…」 ベッドに肘を付き、一心の髪を撫でる。 向こう側に寝返ってしまったせいで一心から返事を貰えなかったが耳朶を赤くしていたから否ではないのだと、そう解釈した。 文化祭が終わってしまえば年末、正月、修了式まであっという間だった。 事故にあったという東儀の兄さんの具合もいいらしい。 ただ、いろいろな状況を想定して東儀も医学部を目指さなければならなくなっていた。

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