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第25話*シマの場合*

風呂を出るとシマが待っていた。いつもの白い着物を身に着け、 「こちらをお召しください」 『あ・・この柄』 「ずいぶん前からこの色の事は知っていました。でもお館様はどうしても花嫁様のすみれ色の瞳に合うものばかり探しておりましたので。しかし、お心に気付いてほしく、 今回こちらを用意しました。」 「ねえシマさん。どうして俺のことを贄嫁じゃなくて花嫁って言ったの?」 「それはお館様に聞かれるといいでしょう。話したい事、聞きたいことはたくさんおありで しょうから直接お会いすればよろしいでしょう」 「え?直接」 「花嫁様が願えばすぐにお会いできます」 『会ったら俺喰われるんじゃないの?』

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