18 / 26
16
〇放課後の教室(夕方)
教壇のところで隣同士で座ったまま
疑う気持ちなど一切持たず、心の底から心配して上目遣いで促してくる波多野と。
そんな波多野を見て理性を捨てて、無理やりにでも押し倒してグチャグチャにしてしまいたくなるその感情を必死に押し殺して、神妙な面持ちを崩さぬまま話を続ける夏野。
夏野「……こんなことをお前に話すべきかどうか、すごく悩んだ。今でも話すことが正解かどうかも分からない。…きっとこれを話せば、波多野は傷付いてしまうだろう」
波多野「……うん」
夏野「それでも俺がこの事実を話さないで、もっと波多野が傷付くことは避けておきたい。だから、俺が昨日見た光景を伝えさせてくれ」
波多野「…うん、いいよ。教えて」
夏野「………昨日、お前に告白した子が、体育館裏で別の男とキスをしていた」
波多野の目を見つめて、真剣な表情ではっきりと告げる夏野。
波多野はそれを聞いて目を見開き驚いた表情を浮かべる。
ともだちにシェアしよう!