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〇放課後の教室(夕方)
教壇のところで隣同士で座ったまま
波多野「……そっか」
悲しそうな表情を浮かべる波多野。しかしそれはほんの一瞬だけで、すぐに口角を上げて、弱弱しい笑みを浮かべる波多野。
波多野「まあ、俺だけを好きでいてくれるなんて有り得ないよな。……俺は格好良いわけでもなければ、頭脳だって運動神経だって並程度だしね…」
夏野が“作り上げた嘘”を信じ込み、必死に平然を装うとしている波多野。そんないじらしくも、弱りきった様子さえも、波多野に溺れている夏野には性的興奮しか感じられない。
しかし建前は心配そうな表情を浮かべる夏野。
波多野「ごめんね、先生。言いにくかったでしょ?俺のために、わざわざ話してくれて、ありがとう」
夏野「……波多野」
波多野「…あはは、また助けられちゃったなぁ」
傷付いていることを悟られないように、必死に笑みを作っている波多野の身体を、夏野は強く抱き締める。
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