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話をしよう Side蒼大
修と話が終わり聖輝の様子を見に行こうと寝室を出ると大輝の部屋からゆっくりと聖輝が寝室に向かって歩いてきていた。
「ちょっと、聖輝。リビングで話をしよう。」
「分かった。」
聖輝に話をしてまた怖い思いをさせ傷つけるかもしれないと思うと話さない方が良いのかとか思ってしまう。
話さなくてまた危険な目に合わせるくらいなら話して聖輝を俺が支えれば良いじゃないか?
「蒼大?」
「悪い。聖輝にしたら嫌な気持ちになるんだ。」
「うん。」
「黙ったままでも心配なんだ。」
「うん。」
俺の気持ちが聖輝に伝わる様に俺は聖輝を腕の中に抱き寄せて力強く抱きしめた。
絶対守るから聖輝!
俺は一回深く息を吸い込み吐き出すと聖輝を見て話をし始めた。
聖輝の顔から血の気が引き身体は小刻みに震えていて指先も冷たくなりだしている。
そんな聖輝を見てやはり話さない方がと躊躇ったが2人で乗り越えていかないといけないと思う気持ちが強くなり俺はありのままを聖輝に伝えた。
「あいつはお前を高校の時に犯した奴の兄貴なんだよ。」
「えっと・・。」
「修は知っていて雇っている。あいつは知っているか分からない。だがあの事件より前に実家を勘当されて何年も帰ってないのは事実だ。修はそこまで調べてから雇ったとさっき電話で言っていた。」
聖輝が困惑をしているのが分かる。
親友だと思っている修が聖輝を酷い目に合わせた奴と聖輝に酷い事をした奴の兄貴が店にいる。
俺なら許す事が出来ない。
今でも圭のした事を思い出すと吐き気がするほどムカついていた。
「もし弟と連絡を取っているならと思うと俺はあいつと仲良くして欲しくない。修にも言ったが弟と連絡を取っていないと言い切られた。」
聖輝の身体が先程よりガタガタと震えだした。
俺は本当に話して良かったのかと思い始めていた。
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