602 / 699

社長さんと直さん 2

「僕は高校の時はイジメられてたんだ。親友が救ってくれて彼に会えなかったら僕は今こうしていない。心輝にも出会えてないと思う。僕は思うんだ。1人で解決しようとしてもダメな時がある。周りに甘えても良いと思う。だから僕と心輝に頼ってよ。」 力強く話す直さんはイジメられてたなんて思えないくらい凛としていた。 僕もいつか直さんみたいに胸張って色んなことを話せる様になるんだろうか? 「ありがとうございます。お忙しいのにすみません。」 「忙しいのは心輝だけだよ。僕は結構時間があるんだ。そうだった。高橋実の所在を探してるから少し待ってね。後の人達は蒼大君の名前を出すと怯えてるから何もしてこないと思う。聖輝君が危ないというより蒼大君が危ないかもしれないよ。」 「えっ?俺ですか?」 嫌な事が頭の中に浮かんだ。 身勝手な思い込みで大地さんと美央さんが殺害された事。 大地さんが居なければ美央さんと大輝が手に入ると思い込んで大地さんを殺害した。 「蒼大が居なければ僕が手に入るとかですか?」 「えっ?何それ蒼大が居なければってそんな事しても聖輝君は手に入らないよね。」 「落ち着け淳平。相手は俺達が考えてる事が通じないかもしれないだろ?」 「そうだね。拓人君の言う通りそれが本当なら僕達の考えと相手の考えは違うって事だよね。」 違いすぎる。 蒼大を失って他の人となんて考えれないし蒼大が側にいなくなったら僕はきっと生きていけない。

ともだちにシェアしよう!