直さんはゆっくりと話をし始めた。 「少しだけ簡単に心輝と僕の話をするね。心輝は圭君と少し違うけれど僕の親友にした事で親友に酷い事が起こしてしまった。親友は今は心輝とも仲良くもしてるし結婚して幸せに暮らしているよ。」 社長さんがどんな事をしたの？ 社長さんがそんな事をする人には思えなくてその場に居た全員が驚いた顔をしていた。 「中学生の時に心輝のお兄さんから受けた仕打ちでお兄さんの言いなりになっていたんだ。心輝のお兄さんは中学生だった僕の親友に執着していてね。親友を騙してお兄さんに引き合わせた。親友はお兄さんの性的なオモチャにされた。そして心輝も同じ目に遭っていた。」 直さんが言っている事があまりにも想像していた内容と違うくて返事をどうして良いか戸惑ってしまう。 今は穏やかに笑いながら話をしてくれているがきっと言葉には出来ない程に社長さんも親友も傷ついたと思う。 そしてそれを知った直さんも傷ついたに違いない。 「一番は僕の親友が心輝を許した事だよ。最初は旦那さんも心輝を許せなかったけれど今は親友になってるよ。蒼大君も聖輝君が許してるから圭君と仲良くしてるし一緒に働くのも許してるんだよね。」 僕は・・・許してるとは思うけれど奥深くの僕が知らない感情は本当に許せたかは分からない。 圭が後悔してる事は分かるからそれで良いと思っている。 きっと蒼大が側にいるからそう思えるんだ。