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朝ご飯にしようね

「最初はビックリしたけれど僕は理解してたから大丈夫だよ。それより咲君の前で話す事じゃないよね?」 咲君は僕の足に抱きついたまま僕を見上げる瞳は不安と悲しみに満ちていた。 僕が蒼大と喧嘩したからだ。 大輝の言う通り小さな咲君の前でする話でもないと反省をしたのだ。 本当に大輝は周りに気をつけえる優しくて頼もしく成長したと改めて実感をした。 大輝より僕の方が子供に思える。 「いぶき・・。」 弱々しく僕の名前を呼ぶ咲君。 僕はしゃがみ込んで咲君をギュッと抱き締めると咲君も僕の背中に腕を一生懸命回してギュッと抱きついて来た。 「ごめんね。お腹すいたよね。朝ご飯にしようね。」 「うん!」 不安そうだった咲君の返事は明るく元気なものに変わっていた。 凄く不安にさせてたんだね。 咲君、ごめんね。

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