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最悪だよ

この時期街には僕の大好きなチョコレートが並び出す。 僕、黒岡聖輝(くろおかいぶき)高校1年。 見た目は普通? たまに女の子と間違えられたりするが間違いなく男だ。 「うぉ〜っ。」 「叫ぶな恥ずかしいだろ。ボケ。」 なんだよ。 ムカつくな! どうしてコイツと毎日毎日帰らないとならないんだ。 隣で俺より背の高い口の悪いコイツ。 宮垣蒼大(みやがきそうた)同じクラスで外を歩けば女の子達が振り返り見てくる。 顔立ちが綺麗だが心も綺麗と思うなよコノヤローっと女の子達に言ってやりたい。 「はぁ〜。」 「仕方ないだろ?ハズレたの俺たち2人だし・・・こっちも迷惑だ。」 ハズレた僕達が悪いんだ。 なんて運がないんだろうと思ったのは生まれて初めてだった。 何が悲しくて男同士で付き合わなきゃならんのだ。 誰だよ。 ロシアンチョコしようって言い出した奴は!!!!!!! 新年会と言って1月の終わり頃に仲のいい奴らと集まって僕の家で鍋をしていた。 蒼大は別に僕と仲良くないが他のメンバーと仲が良いから一緒にいるんだけどな。 姉貴が旅行のお土産だとハバネロ入り激辛チョコをくれたのが鍋をしてた時だったのだ。 『あら、普通のチョコと混ざったわ。ごめんね。2個が激辛チョコなのよ。』 そう言って笑いながらどっかに行ってしまった姉貴。 確信犯だ。 集まった友達は僕を入れたら6人。 2人は激辛チョコ。 6人で顔を見合わせた。 「先ずは、鍋を終わらせてからにしようぜ。」 そう言ったのは、笹本修(ささもとしゅう)。 修は、僕達の中ではリーダー的な存在。 誰が言い出したとかは無いけれど必ず先に提案だったり行動を起こすのも修である。

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