嬉しそうにチョコを見ながら歩いている聖輝が可愛く思える。 手に取り目を輝かせながらチョコを選んでいる聖輝は女の子達の視線が自分に集まってるなんて思ってもいないんだろうな。 「あの・・・・宮垣蒼大君ですよね？」 俺の後ろから話しかけてくる女の子は俺と同じ学校の生徒だった。 「誰？」 「隣のクラスの倉本加奈（クラモトカナ）です。少しだけ良いですか？」 「今はちょっと・・・・。」 「直ぐに済みますのでダメですか？」 「う〜ん。５分なら良いよ。」 聖輝はチョコに夢中になっているから５分だけ離れても平気だろうと思い俺は聖輝から離れて倉本さんの後をついつ歩いた。 そこに居たのは学校の女の子達でどうも俺を見掛けたから話がしたくて呼ばれたみたいだった。 話すくらいならと暫く話に付き合っていたが気付いたら５分以上話をしていた。 「ごめんね。連れを待たせてるからまた今度ね。」 また今度ねか・・・・・。 それは、約束できない事だから俺って無責任だよな。 急いで聖輝のいる所に戻ると顔を真っ赤にして照れながら笑ってる姿が目に入った。 なんだよ聖輝・・・・・。 俺にはそんな顔見せないだろ？ 修にもそんな顔しないだろうがムカつく。 俺はズカズカと聖輝の側まで行くと思いっきり腕を掴み自分の方へと引っ張り寄せた。 聖輝は体勢を崩しかけてよろけたが俺はそれも腕を引っ張り転げないようにした。 相当力が入っていたから腕痛くなるだろうかごめんな聖輝。 でも我慢出来ないんだよ。 聖輝が他の奴に可愛い顔を見せてるのが耐えれない。 「はなっ・・せ！蒼大。」 「はぁ？聖輝は何してんの？浮気？」 やっぱり俺には怒った顔しか見せない聖輝。 「蒼大、浮気ってなんだよ。僕誰とも付き合ってないし腕離せ。」 誰ともってなんだよ。 罰ゲームでも今は俺と付き合ってんだろ？ 俺は腹立たしくて掴んでいた腕を乱暴に離した。 「ふぅ〜ん。聖輝ボケ。ソイツ誰？」 誰だ？ こんな奴に可愛く笑ってたのかよ。 マジにムカつく。 「見たこと無いと思ったら先輩かぁ〜。」 可愛い笑顔を見せていた相手は同じ学校の先輩だった。 名前は・・・興味ないから覚えないが顔はシッカリと覚えた。 学校では後ろには気をつけろよ先輩。 で、聖輝はズゲェ〜可愛く笑って先輩に手を振ってんですけど・・・。 俺と先輩の違いってなんだよ？ 俺にもその笑顔向けて下さい聖輝。