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遅い。

何だか昨日のホームでの出来事であんまり寝れなかったよ。 それにしても蒼大遅いよな。 僕はいつも蒼大と待ち合わせてる駅前の時計塔の下で眠い目を擦り寒さに耐えていた。 「ふぁ〜ッッ。」 「クスクス。大きなアクビだね。」 北嶋先輩に大きなアクビをしているのを見られて笑われてしまった。 「あっ、おはようございます。電車通学ですか?」 「なんとなくね。バスでも電車でもいいから気分で変えてるんだよ。聖輝君は?」 「僕は、友達を待ってるんですよ。いつもの電車に乗ってなかったみたいなんで待ちです。」 連絡無しにいつもの電車に乗って無いなんて初めてだった。 本当に蒼大どうしたのかな? 「遅刻しないようにな。俺は日直だから一緒に待ってれないけどごめんな。」 「いえ。早く行ってください。」 「じゃあ、またね。聖輝君。」 「はい。また。」 北嶋先輩は僕の頭をクシャクシャとすると笑顔で去って行った。 やっぱり凄くカッコイイよなぁ〜。 「くしゅんっ。うっ〜さみぃ〜。蒼大遅いよな・・・。」 さっきメール送信したけど携帯画面を見ても受信にはなっていなかった。 携帯画面と睨めっこしていると白い何かが画面に落ちて水滴に変わった。 何だろ? 顔を上げてみるとチラチラと空から白い物が落ちてきていた。 雪? まじかぁ〜。 そりゃ、寒いよな・・・蒼大まだかな? 時計塔の時間を見たら今からココを離れないと遅刻になる。 蒼大、もしかして事故に遭ったとか? 具合悪くなったとか? 取り敢えずギリギリまで待ったんだ学校に向かうかな? あと1分待って学校に向かおう。 僕はそれから1分、蒼大を待っていた。

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