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毎日メール

修学旅行で蒼大と再会してから僕達はお互いの日常の出来事をメールで報告するのが日課になっていた。 朝と夜は必ず『おはよう』『おやすみ』のメールが受信されていた。 どちらが先とかは無いけれどお互いにそうしていたんだ。 たまにね大輝の画像を添付すると可愛いから早く会いたいと返信が来る。 「ふふっ・・・・僕も会いたい。」 教室だと忘れて1人でニヤニヤしながら呟いてしまった。 「朝からニヤついてるな聖輝。」 僕の席の前に腕を組んで悠真がニヤリと笑って立っていた。 その横には治樹君も意味ありげに笑いながら立っていました。 「やあっ・・・その・・・ニヤけてないし2人がニヤけてんだろ?」 「ふぅ〜ん。誰に会いたいんだよ聖輝。」 僕をからかう様に悠真が言ってくる。 「えっ?えっ・・・・・・やっ・・・それは・・・・どうしてわかったの悠真。」 「声に出てたよ聖輝」 声に出てた? 嘘・・・。 もし声に出していたんなら凄く恥ずかしすぎる。 僕がパニックになっていると治樹君が肩を軽く叩いてきて無言で頷きました。 恥ずかしい過ぎる。 僕の顔が一瞬で熱くなるのを感じた。 「聖輝君、耳まで赤いよ。」 「大丈夫だよ。俺達2人にしか聞こえないくらいの声だったしな治樹。」 「うん。それに会いたいと思えるのは良い事じゃないの?」 そう、蒼大と再会する前は会いたくても口にできなかった言葉。 会いたいと思ってもダメと自分に言い聞かせて蒼大に会う事を諦めていた。 今は会いたいと素直に思い言葉にも出来る。 夢じゃ無いかと思うくらい毎日のメールが僕を幸せにしてくれる。 「聖輝、前より笑顔が可愛くなったしな。」 「へっ?」 悠真の言った事に治樹君の頬が見る見るうちに膨れて口が尖っていた。 「はあっ?聖輝君より俺のが可愛いだろ?」 治樹君はプイッと悠真から顔を逸らして拗ねてしまった。 僕はどうして良いか分からなくてオロオロしていると後ろからクスクスと笑う声が聞こえて来る。 「悠真と治樹、朝からイチャつくなよ。」 「煩いな智哉、俺達はイチャついてません。教室ではしません。」 「ハイハイ。治樹のお守り大変だね悠真。」 「治樹はそこが可愛いから好きなんだ。」 悠真の言葉にさっき迄拗ねていた治樹君が顔を真っ赤にして下を向いてしまった。 そんな治樹君を優しく見つめる悠真。 治樹君が悠真にそんな顔をさせるんだね。 下を向いている治樹君がその顔を見る事は無いけどいつかちゃんと見れたら良いね治樹君。

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