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落ち着いて下さい
今日はお店を臨時休業した。
1ヶ月前から告知はしていたので予約のお客さんとかは居なかった。
引き渡しだけならケーキは作ると大地さんは言っていたけどね。
「聖輝、ちゃんと歯は磨いたか?顔は洗ったのか?」
「ちょっと、大地さん落ち着いてよね。聖輝君が困ってるでしょう。」
「あははっ。大丈夫ですよ美央さん。」
朝から何度も同じ事を聞かれている。
それを見かねた美央さんが大地さんに注意してくれたんだけど大地さんは何故か上の空のように見える。
いつもはこんなに落ち着き無いとか有り得ないんだけどね。
今日は、蒼大が僕に会いに来るからなのかな?
「大輝はミルク飲んだか?」
「さっき離乳食を食べたから大丈夫よ。本当に落ち着いてよね大地さん。」
確か大地さんが大輝に離乳食を食べさせてたんだけど本当に大丈夫かな?
僕より大地さんのが心配だよ。
「大地さん、落ち着いて下さい。」
「俺は落ち着いてるぞ聖輝。」
そうは思えない。
だって大地さんはね。
「それは緑茶ですよ。何杯お砂糖を入れるんですか?」
「えっ?さい・・・最近、緑茶に砂糖をたくさん入れて飲むのが俺の中で流行ってるんだよ。うわっ・・・まずっ・・・くないぞ!」
流石に砂糖4杯入れたらマズイより甘いが先じゃ無いかな?
それでも動揺を悟られたく無いのか一気に砂糖タップリの緑茶を飲み干していた。
「大地さん、湯呑みかして新しいお茶入れ直すわ。」
美央さんは笑いを堪えながら手を差し出していた。
「悪いな美央。」
苦笑いをしながら美央さんに湯呑みを渡す大地さん。
大地さんが使ってくれている湯呑みは修学旅行でお土産で買ってきたものである。
大切にお2人が使ってくれているのが凄く嬉しい。
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